重点分野『廃炉』

国内外の英知を結集した技術開発

浜通り地域等の復興に必要不可欠な廃炉を進めるため、国内外の英知を結集し、研究開発と人材育成を進めるとともに、取組の効果を産業面にも波及させ、浜通り地域等に産業の集積を図ります。

JAEA・楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)

原子炉建屋内部の作業計画の検討・訓練等を可能にする楢葉遠隔技術開発センター(NARREC・楢葉町)

日本原子力研究開発機構(JAEA)では、廃炉作業等に必要な技術開発を進めています。その中の一つとして、福島第一原子力発電所の現場にいる感覚を、VR技術を用いて体験できるシステムを提供しています。このシステムを通じて、原子炉建屋内部の作業計画の検討・訓練等を行うことが可能です。

VRで原子炉格納容器内を体験(楢葉遠隔技術開発センター)
楢葉遠隔技術開発センター全景

JAEA・大熊分析・研究センター

廃炉を進めるための分析を行う大熊分析・研究センター(大熊町)

放射性物質分析・研究施設は、職員他が執務を行う施設管理棟、分析・研究を行う第1棟及び第2棟の3つの建物で構成されます。中・低線量の廃棄物試料を分析する第1棟は、2022年6月24日、施設として運用を開始(竣工)し、その後、試験運用・分析準備等を行い、2022年10月1日、特定原子力施設の一部として管理区域等を設定し、その後放射性物質を用いた分析作業等を開始しました。燃料デブリ等を分析する第2棟は、詳細設計、建設工事準備等を進めています。

大熊分析・研究センター

JAEA・廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)

国内外の英知を結集する拠点 廃炉環境国際共同研究センター(CLADS,富岡町)

国内外の大学、研究機関、産業界等の人材が交流できるネットワークを形成しつつ、産学官による研究開発と人材育成を一体的に進める体制を構築して、原子力発電所の廃止措置を推進します。

廃炉環境国際共同研究センター

<取組事例紹介>

廃炉ロボットシステムを応用した技術開発

(株)エイブル

(株)エイブル(本社 福島県双葉郡大熊町)は、福島第一原子力発電所の長さ120mもの排気筒の解体工事を、遠隔操作によるロボットシステムを利用して行っています。これまで蓄積してきた知見を活かし、廃炉における応用的な作業を担うだけでなく、ロボット活用の分野をますます広げています。

参考:安全性向上への取組 (東京電力ホームページ、廃炉作業の状況)

福島第一原発1、2号機の共用排気筒の切断作業
共用排気筒(約120m)の上半分約60mを切断する作業を完了(2020年4月29日 東京電力発表)
作業従事者の子どもたちが描いた絵でラッピングしたバスを、遠隔操作室 として利用しています

福島廃炉産業ビジネス総合展

県内企業に廃炉関連産業のビジネスマッチング・PRの場を提供し、廃炉関連産業の集積を図るため、県内外元請企業や研究機関等を巻き込んだ新たなイベントとして「令和4年度第2回廃炉関連産業交流会」と「廃炉・災害対応ロボット関連技術展示実演会」「廃炉ビジネス展示商談会」の3つを同日開催する「福島廃炉産業ビジネス総合展」が開催されました(2022年11月8日)。

廃炉を担う人材育成

廃炉創造ロボコン

文部科学省が福島イノベ構想をもとに2016年から毎年開催。廃炉をイメージしたロボットの製作を通じて、学生の廃炉に関する興味の喚起と創造性の涵養を図ります。会場は日本原子力研究開発機構(JAEA)楢葉遠隔技術開発センター(福島県楢葉町)です。

開催時の様子
参加した福島高専生

地元高校生の廃炉作業体験

福島県立原町高校生による体験の様子