箭内道彦さん 特別講演(8月30日)

当館で毎日上映しているプロローグシアターの映像は、福島県郡山市出身の箭内さんが同郷の西田敏行 さんと一緒に作られました。
講演で箭内さんは「自分のクリエイティブ業務の中で一番難しかった仕事です」と明かしました。
 
講演で、そのプロローグ映像を上映。
西田さんはナレーションで、東京電力福島第一原発の廃炉について、
「私が生きてるうちに見届けられっかどうか…無理がもしんねなぁ」
と、なまりを交え、センシティブな内容を語ります。
東日本大震災と原発事故を伝える伝承館で、傷付けないように強い言葉を放つ。
箭内さんのいう「アクセルとブレーキを同時に踏み続ける仕事」です。
箭内さんは「賛成、反対、外側にいる人。伝承館をいろんな人の考える場所にしたかったから、これを作りました」と制作意図を伝えていました。
この他、震災前に抱いていたふるさとへの複雑な思いが、逆に福島とのかかわりにつながった点が印象的でした。
◆約束と実現
発災直後の2011年4月、県内の避難所を回る中で、震災と原発事故で不安を抱えて生活する県民に「誰も何も約束してくれない」と感じた箭内さん。
「一つ大きな約束をして、実現することが大事」と考え、「県内を西から東へ横断する3万人規模のロックフェスを9月に開催するよ」と発信。心無い言葉を受けながらも、自ら放射線量を測定し、大勢の人が集えるフェスを県内各地で開催しました。
「雨戸を閉めて暮らした半年、
福島の人々が大きな声で歌い、笑い、
泣くことのできる場所でした。」と振り返られました。
2011年末の紅白には「猪苗代湖ズ」の『I love you & I need you ふくしま』で出場。
「頼まれていないことをやることが、とても必要なこと」と話されました。
 
◆ART IS IN YOU
特別講演は芸術祭「福島ビエンナーレ」の一環で開かれ、「復興とともに歩むクリエイティブ」と題されました。
福島県クリエイティブディレクターとして、「来て。」など、これまでに手掛けられてきた「福島への誤解を理解に変える」多数のクリエイティブ業務について語っていただきました。
講演の最後に、今年9月に猪苗代町で開催される福島県共催の総合芸術イベント「September JAM」について、奈良美智さんのイラストが描かれたフライヤーとともに紹介。
「ART IS IN YOU」がテーマであるとし、「作ることはもちろん、出あうこと、見ること、考えることもアートです」と語りかけられました。