【活動報告】令和5年度「スタートアップ創出事業 スタートアップツアー」第3回を開催しました。

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 福島イノベ機構では、1月18日(木)~19日(金)、1泊2日で「廃炉、医療関連」をテーマとした令和5年度第3回スタートアップツアーを13名に参加頂いて開催いたしました。

 福島第一原子力発電所等のテーマに関連する施設と共に、過去2回と同様に、様々なスタートアップ関連施設や進出企業の視察に加え、自治体や支援機関、地元事業者の方々のお話を伺いました。
 参加者から、「この地域には魅力的な施設やコミュニティーが多くあることが分かった」、「地元の人や他の参加者との交流を深めることができて、とても有意義なツアーだった」、「今後の事業化において候補地の1つであると考えている」といった声を頂きました。

【第3回スタートアップツアーの様子】

(1日目)

■東京電力廃炉資料館/富岡町

 福島第一原子力発電所の事故や廃炉事業の記憶と記録を残すために、東京電力により設置された資料館を見学。事故当時何が起きたのか、今は何をしているのか、事故防止や今後の復興に繋げる取り組み等について理解を深めることができました。

 また、富岡町役場からは、富岡町の魅力や支援制度についてお聞きしました

 

■福島第一原子力発電所/大熊町・双葉町

 災害直後から福島に住み続け、廃炉事業に従事している経済産業省の木野正登さんに施設内を案内いただきました。あの事故の現場と施設の現状を自分の目で確認することや、福島に居続け自ら原子力災害の現状を発信している木野さんの想いにも触れた貴重な経験となりました。

 

■ならはCANvas/楢葉町

 楢葉町の職員として施設の立ち上げから関わった松本昌弘さんからご案内いただきました。 地域や世代、立場を超えた、出会い・交流・つながり・発見・挑戦が生まれる場つくりを通じて、“こころの復興”を象徴する施設を目指している各種取り組みを理解しました。

 また、楢葉町の魅力や支援制度についてもお聞きしました。

 

■kashiwaya/楢葉町

 旅館をリノベーションした、まかない付きシェアハウスのkashiwayaさんで、夕食を兼ねた懇親会を開催しました。震災後に東京から福島に移住しkashiwayaをオープンした古谷かおりさんの作る地元食材を使った美味しい食事をいただきながら、参加者同士交流を深めました。

 

(2日目)

JAEA・楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)/楢葉町

 研究管理棟と試験棟から構成された、様々なシミュレーションや実証試験を行う施設の見学を行いました。廃炉のみならず、大学や研究機関・企業の遠隔操作機器の実験などの用途で一般にも開放されている等、新しい技術開発や次世代研究者のスタート地点を目指した取り組みを理解しました。

 

JAEA・廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)/富岡町

 福島第一原子力発電所の廃炉に係る研究開発を一体的に進めており、国内外の大学・研究機関と連携した人材育成や、JAEA外部の研究者・技術者の支援も行うなど、幅広い取り組みについて理解を深めました。

 

■テラス石森/田村市

 廃校となった旧石森小学校を活用して作られたテレワークセンター兼シェアオフィスにて、オフィスやコワーキングスペース、イベント会場としてうまく活用されている様子を伺いました。また、運営を田村市より受託している一般社団法人Switch代表の久保田健一さんより新たなビジネス・雇用・職業の創出、情報発信、町おこしの拠点としての取り組みなどを説明いただき、参加者からも利用したいとの声を頂きました。

 

AIMS(田村未来メディカルプロモーションセンター)/田村市

 株式会社AIMSの開発拠点であり、施設はシェアオフィスやイベントブースも兼ねています。代表の川又尋美さんより人工知能(AI)や最先端のテクノロジーを駆使した「人の健幸寿命を創出し延ばしていく」を使命とした企業活動について説明を受けました。

 また、参加者は電子瞳孔計「AiLive」での計測により、数値化された神経年齢やストレス度、不安症状など心身の健康状態と向き合える体験をしました。

 

■ふくしま医療機器開発支援センター/郡山市

 福島復興への重点プロジェクトの一つである、医療関連産業集積を目的とし、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する国内初の施設として設立されました。医療機器メーカーやものづくり企業、医療従事者などのニーズに対応する各種取り組みの説明を受け、福島県は医療用機械器具の部品等出荷額全国1位である理由が理解出来ました。

 

【参加者の声】

一日半と短いツアーでしたが、参加された皆さんから頂いた声の一部を紹介させていただきます。

  • 協業先として希望する相手が見つかった。
  • ローカルからスケールの大きい事業を作るスタートアップに会えた。
  • 情報交換したい相手が見つかった。
  • 現地を見ることでしか分からないものをとても感じられるツアーだった。
  • 各施設の先進的な取り組みの事例について、その担い手の話を直に聞くことが出来、学びが深まった。
  • 様々な業界の方と話しが出来、非常に刺激になった。
  • この地域は自分のできる範囲でちょっとしたスキルや時間を提供し合い、半農半Xで事業を行いうる可能性を感じた。
  • 福島第一原発内に入ることができたのは、とても貴重な経験となった。福島に縁があるからこそ知っておかなければならないことだと思った。
  • 見事なツアー運営でした。移動なども全くストレスが無く快適でした。多くのことを学べた訪問先でありがたい限りです。
  • 参加者同士や各施設、自治体の方などとのつながりが数多くできた二日間だった。

 

 

【お問い合わせ先】

 (公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構

    産業集積部 事業創出支援課

     電 話: 024-581-7045
     メール:Startup-tour@fipo.or.jp