伝承館、開館5年となりました

東日本大震災・原子力災害伝承館は本日9月20日で、開館からちょうど5年となりました。開館5年イベントが行われ、高村館長の展示解説ツアーや学芸員と被災地を巡るフィールドワークなどに多くの方が参加されました。

館長の展示解説ツアー、初実施

高村昇館長の来館者向け展示解説ツアーが初めて行われ、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故という複合災害の実態や、原発事故に伴う原子力災害の現在進行形の問題について説明しました。

高村館長は取材に「原発事故により、2万人超える住民が今も避難していることを、今後もしっかりと発信していきます。災害は必ずまたどこかで起こります。そのときに、何を準備するか考えるきっかけを提示したいのです。特に、次代を担う若者には複合災害について学んでほしいと思っています」と話していました。

 

伝承館学芸員と被災地を巡る特別フィールドワーク

津波でセンターラインがずれた沿岸部の道路、津波で甚大な被害を受けた浪江町請戸地区を見渡せる大平山霊園、双葉町の帰還困難区域の街並み、停電により動かない電動シャッターを突き破って消防車が出動した消防団の屯所などを巡りました。

解説役を務めた瀬戸学芸員は地震、津波、原発事故という複合災害のさまざまな影響について解説しました。岩手、宮城と比べて震災遺構が少ない理由や、放射線量を低減させる除染などに関する質問に答えていました。

「伝承館開館5年のあゆみ」&「きぼうのとり」企画展

コロナ禍の中、2020年9月に開館した当館のこれまでの歩みを振り返るパネル展と、震災関連絵本「きぼうのとり」を紹介する企画展が2階企画展示室で始まりました。「伝承館開館5年のあゆみ」展では、開館前の資料収集の様子、これまで開催してきた企画展や出張展の様子などを写真で紹介しています。