最近の企業参入例 株式会社なかた農園

最近の企業参入例

株式会社なかた農園
浪江町と富岡町で長ネギを生産、冬の出荷量アップを実現

社名 株式会社なかた農園
業種 農業
代表 中田幸治さん
所在地 福島県郡山市
法人設立 2015年7月
従業員数 25名(うち正社員4名)
資本金 1,800万円
売上高 7,400万円
生産科目 長ネギ(青ネギ、一本ネギ)、水稲

中田幸治さん プロフィール

中田幸治さん

1976年、郡山市の農家の長男として生まれる。東京農業大学で経営を学び、2005年、29歳のとき家業を承継。当時コメとイチゴだけだった栽培品目を増やし、積極的な販路開拓で生産を拡大。2015年に法人化。
「つくりたいものよりも市場に求められるものをつくる」という理念から、収益性の高い長ネギに着目。現在は、青ネギ・一本ネギの契約栽培を中心とした経営を進める。

ネギ生産のエキスパートが選んだ土地とは

ねぎ

郡山市のなかた農園はネギのエキスパート。年間出荷量約250トンに達する青ネギ・一本ネギは、生食用・加工用として県内はもちろん首都圏や東海にも流通しており、なかでも葉の部分がおいしい青ネギは大手うどんチェーンの刻みネギにも使用されています。しかし、郡山市内だけの栽培では冬期の出荷量が減少するため、冬でも好天に恵まれる浜通り地方に進出、浪江町と富岡町で生産を開始しています。

■ 12市町村における農業参入状況(2023年1月現在)

参入場所 浪江町・富岡町
参入年月 2022年4月(浪江町)、2023年中予定(富岡町)
参入規模 9ha(浪江町)、3ha(富岡町)
栽培品目 長ネギ(青ネギ、一本ネギ)

浜通りへ進出して生産量を拡大

郡山では冬場に作物をつくるのが難しいという事情があり、冬でも比較的温暖な場所に農地を探していたところ、ちょうどいいタイミングで浪江町の土地を紹介していただきました。浜通り地方は冬の気候が安定していることがいちばんの理由です。

収穫作業の様子

進出では苦労も経験

ねぎ選別の様子

最も苦労するのは土地の集約化ですが、浜通り地方ではこの問題が解決されており、それは大きな魅力でした。一方、法人農家に必要な規模の倉庫や選別場の確保が難しく、農地転用など法制度上の手続きが複雑なことが大きなネックになっていると感じます。人材の確保という課題もあります。

今後の計画

2025年までに浪江町・富岡町あわせて長ネギの作付け面積を18haまで増やす計画です。これはネギ農家とすれば大きい方だと思いますが、12市町村全体で22,000haの休耕地があることを考えれば、土地の有効活用という意味ではまだわずかなもの。将来はネギ以外にも土地面積を生かせるような作物(牧草や大豆、麦など)を作りたいと考えています。

田んぼ

なかた農園の取り組み

なかた農園の取り組み

農業とは得た技術をお金に換える産業です。いまの国際情勢下、輸入に頼る肥料のコストが上がっていますが、未利用の資源を活用して代替の資源を活用して代替の肥料をつくれないか。たとえば堆肥や鶏糞、竹、酒粕などを使い、工夫して開発していきたいと考えています。

(2023年1月取材)