双葉町特集展が開幕 町の現状、復興への歩みを発信

東京電力福島第一原発事故に伴う全町避難が続く福島県双葉町の特集展「東日本大震災・原子力災害 双葉町の記憶と記録」は7月14日、当館で開幕しました。会期は8月30日までとなっています。初日は伊澤史朗町長が解説役を務め、来館者らに展示品に込められた思いや意味を伝えていました。

当館の主催、双葉町の共催、筑波大の協力。被災自治体で唯一、全町避難が続いている双葉町の現状や帰還への歩みを発信して風化を防ぎ、復興の一助となるため企画しました。

約70点を展示しており、1階エントランスホールには、震災前の町の大型模型が二つ設置してあります。2階企画展示室には、震災前の暮らしや文化が分かる写真や、東電福島第一原発が稼働した当時の新聞が並んでいます。

大地震や津波、原発事故で町の姿は刻々と変化しました。双葉中学校のグラウンドにしゃがみこむ生徒、自衛隊の車両が役場駐車場にひしめく姿からは、緊迫感を感じ取ることができます。「1F-1号キ 格納容器圧力異常上昇 計器の故障の有無検証中」などと記された町災害対策本部のメモ書きは事故直後の混乱を伝えています。

双葉町は原発事故に伴い、県内外に役場機能を移し、埼玉県の旧騎西(きさい)高校に役場機能を置いた経験があります。女性が着替えできる部屋がなく、段ボール製の更衣室を使用していました。その実物や、段ボール製の机が展示され、当時の過酷な避難を物語っています。