請戸小学校のピアノ展示開始

 当館は10日、東日本大震災当時、浪江町立請戸小学校の音楽室にあったグランドピアノの展示を始めました。同校6年生の時に被災し、現在は当館に勤務する横山和佳奈が請戸小学校の校歌を演奏しました。

 ピアノは震災前、同校2階の音楽室にあり、津波で10cmほど浸水しました。東京電力福島第一原発事故の影響で使われない間も関係者がボランティアで手入れを続け、保全してきました。

 その後、2018年4月に町内で開校した、なみえ創成小・中学校で活用され、今年10月24日に震災遺構として請戸小学校が開館したことに合わせ、町から借りてピアノの展示が実現しました。

 スタッフの横山は演奏後、報道陣の取材に「ピアノの中のサビを見た時に、津波や原発事故の影響を感じました。さまざまな人のおかげでこうして弾くことができ、とてもうれしいです。このピアノを通じて、請戸小にたくさんの子どもが通い、楽しく生活していたことを感じてほしいです」と話していました。

 展示は請戸小学校の震災遺構としての開館に合わせ11月29日まで開催している浪江町展「浪江町の学校と震災」の一環です。